秦野の歯科 わきた歯科医院 ブログ 新幹線
学会参加や旅行で新幹線をよく利用するが、私は新幹線に乗るとどんな睡眠不足でも眠りにつくことができません。
ブウーンとうなりをあげるモーターが、私の意識を覚醒し、仮眠をとることができないのです。
どこまでもどこまでも果てしなく疾走する新幹線。乗車時間が長くなるほどエネルギーレベルが高くなり、何でもできてしまいそうな高揚感が得られ、躁状態を生み出してくれます。

日本が世界に誇る新幹線。ハイテクノロジーを結集し、安全で正確で快適。私の医院の目標も安全・正確・快適ですが、その究極の姿がこの新幹線ではないでしょうか。
この日本のプライドとも呼べる新幹線。中でも特に私のベストワンは500系のぞみです。

小学生の頃、図画の時間で”未来の都市”のようなタイトルで絵を描くと、流線型でまるで空を飛べるかのような弾丸列車を必ず描いていたのですが、この500系のぞみはまさに完璧にその未来予想図のフォルムのまま、私たちの前に現れました。
新幹線500系のぞみ

初めて500系のぞみと対面したときは、見とれることしばし。ただただ美形、アクティブでアグレッシブでアバンギャルド。まさにあのころの未来にボクらは立っているのだ、と実感できたものでした。しかもただの美形ではない、走らせれば当時世界最高速度300kmを出せるほどの実力派。
新幹線500系のぞみ

この300kmを体感したくてわざわざ飛行機をやめて鹿児島からの帰路に博多経由で500系を選んだこともありました。車窓の風景がとてつもない勢いで後方にすっとんでいく。時速300kmのスピードはそれはもうインパクトが強く、慣れるまで、気のせいか恐怖すら感じられるものでした。
新幹線500系のぞみ

おそるべき新幹線。こんな超高速列車が数分単位で発車し、のぞみ・ひかり・こだまと運行パターンの違う列車が追い抜いたり追い抜かれたり。こんな複雑なダイヤでありながら、無事故はおろか平均遅延時間が1分にも満たないそうだ。高速列車はヨーロッパにもいくつかあるが、ここまでのハイレベルを実現できる総合力は日本人の誇るべき財産だと思う。
新幹線500系のぞみ

そんな500系のぞみだが、数ある新幹線車両の中でも私にとってスーパースターであった500系のぞみに悲しい末路が待ち受けていたのだった。
その独特のデザイン、スタイル重視が裏目に出て、居住性の乏しさ、使い勝手の悪さが災いして、山陽新幹線ローカルのしかもこだま限定使用に格下げ転用されることになってしまったのだ。
なんとまあ、美しさゆえの悲劇か、まさに美人薄命とはこのことか。近い将来すべての500系のぞみはN700系に置き換えられ、関東では見れなくなってしまうのであった。

その報道があってから、機会を見つけては足繁く写真撮影に出向いていくアラフォー世代の鉄道小僧。しみじみとこの500系を見ていると、ゆっくり各駅停車する500系もそれなりに典雅なイメージがはまっていいかも。しゃかりきに走らないで、停車時間が長い分、多くの人にこのスタイルを見てもらえるかもしれないし、それはそれでいいのか、そんな気がしてきた。
どうせならこだまのまま東海道にも延長運行して、私がいつも利用する小田原駅に停車するようなことでもあれば、私としては大満足のオチになるのだけれど、どうかな?過密ダイヤにそんな余裕ないかも。
新幹線500系こだまと700系のぞみ