卒業約30年 高校の同窓会の連絡がきた。
同窓会は、偏見かもしれないが 何かどうしても後ろ向きな感じがしていままで欠席に〇を付けてきていた。
狭い範囲ではあるけれど地域ではちょっとした伝統校で決して有名な進学校ではなかったが その校名には少し誇らしい思いを持ちながら通学していた その高校の3年間は今考えると未熟で多感な3年間だった。みんなそうなのかもしれないけれど トランプでいうと手持ちのカードを使いきらないうちにあっという間にゲームが終わって誰かが勝ち切っていた という事か?やり切った感がない。後悔は山ほどある。

同窓会の案内を見ながら思うことはやはり「あいつ今なにしてる?」だ。
えらい奴が何人もいた。今でも鮮明に覚えている
・下敷きに「汝 草木の如く朽ち果てるか」と書き込んでいた彼
・「男のバカは嫌いよ」と言い放つ彼女
・「学校に負けに行くわけではない」と教えてくれた彼
・「脇田君は毎日何を考えているの?」と聞かれたから「中学の時と違ってみんな考えていることが似通っているよね この学校」とか当たり障りのない答えをしたら「私は毎日本当にこれでいいのか?と 将来にむけてもっとやるべきことがあるのではないか?あとで後悔しないように」と言いきった彼女
本当に自分は子供だった
こんな会話をした彼・彼女たちが30年を経てどのような人物になっているのか ぜひとも会って確かめたくなったのだ。そしてこんな会話をしたことを覚えている?俺はこの言葉今でも忘れてない。今の自分に少なからず影響していることを伝えたくなって出席に〇をした。
ネクタイをしたほうがいいのか、最近増えてきた白髪はそのままでいいのか?など とりとめのないことに迷いつつもそのままの自然体で当日を迎えた。
人の記憶ってすごい。最近のことは本当にすぐ忘れるけれど、昔のことはちょっとしたきっかけで本当によく思い出される
顔を見た瞬間あらゆることがよみがえる。
「お前そういえばあの時骨折しただろう」「え?そんなことあった?」
「ほら、ソフトボール大会の練習をしたとき」
「んー。あっそういえば俺足首骨折した。高3の受験前だ」
とか
「冬の氷の張ったプールで遊んでいたとき、突然氷が割れて沈んだこと(これ私の事)覚えている?」
「もう忘れていいよ、そんなこと」
「そうだ思い出した。口あけて見せてよ。確か お前ののどちんこ お尻みたいに二つに割れていたよな。俺仕事柄数えきれない喉ちんこ見てきたけれど、こんな形二つと見たことないぞ」30年ぶり おしり喉ちんことの対面だ。
今思えば写真撮っとけばよかった。学会に発表できたか?
「お前 歯医者になるって言ってた?」「お前こそ本当に教育者やっているのか?」
「知ってた?あいつとあいつ付き合ってたこと」「んぎゃ」
「で そのまま結婚したらしい」「どっひゃー」
など など 以下長くなるので略
学校の先生や大学の教官、公務員が多いのは校風か?
そんな中一人の女性が話しかけてきてくれた。3年間一度も言葉を交わしていない人だった。以下恐縮ですが自慢が入ります。
「脇田君 私のこと分かる?」
「わかる、○○さんでしょ」
「えっ うれしい覚えていてくれたんだ。それなら高2の体育祭覚えてる?」
この質問は意外だった。高2の体育祭は私にとって今でも忘れられないトラウマになっている出来事があった。リレーの先頭走者だった私は周の半分くらいで足をかけられて転倒してしまったのだ。今でもオリンピックや運動会のリレーを見ると思い出す苦い記憶だ。
「もちろん覚えてる。リレーで転んだことでしょ。でも自分以外にこのこと覚えている人がいるなんてびっくり」
「あの時、脇田君が転んだのにも驚いたけれど、そのあと起き上がって走り出した後の方が速くてもっと驚いた。終わった後落ち込んでいるから励ましに行こうとしたら もう・・・」
以下紙面の都合上割愛。
過去の事実は変えられないけれど、その解釈はいくらでも変えられるということか。
色々責められたりした痛恨のミスも、こんな風に見てくれた人がいるのなら、転んだのもよかったのかと解釈を変えることができるんですね。声かけてくれてありがとう。
同窓会っておもしろい 試しに手あたり次第聞いてみた
「俺ってどんな印象だった?」
 自分では自分のこと いつも考え込んでどうしょうもなく不機嫌で イライラしていて それを言葉にできなくて 不安やざわめく心の矛先もわからなくて まるで尾崎豊みたいな そんなイメージだが 
帰ってきた答えは
「よく ニコニコしてた まるであまり考えてないみたいで」という声もあって自己評価と違う どっちが本当の自分なんだと混乱してきた。でも「あーそうだったかも」と簡単に納得できたりして。
過去の事実は変えられないけれど、その意味合いは本当に都合よくこんなに簡単に変えられる これから起きることだってそうなのかも 勉強になった。 
出席に〇をするきっかけになった意識高い系の彼・彼女たちには会うことができなかったのは残念だけれど、同期同窓っていいものだと改めて感じられた。
お互いの発展や成功を期待し合えるのも3年間同じ空気を吸って過ごしたからだろうね。
みんないい年の取り方したいですね
同窓会の段取りをしてくれた方々ありがとう。