「先生の診療所はどこにありますか」
「神奈川県の秦野です」
「ハダノ?」
学会や勉強会で初対面の先生と名刺を交換するような場面でよく繰り返される光景です。
秦野にお住まいのみなさんは秦野という町をどのように紹介しているのでしょうか。
やはり 丹沢という山のふもとで小田急線が通っていて・・などのようになるのでしょうか。

口の悪い方は神奈川のチベットだというかもしれません。
私自身はこの秦野で生活していて、しかも歯科医院も構えていますがとてもこの場所が自分にあっているようです。
もともと都心の中での刺激的な生活を毎日送る、というのが好きではなく、通学していた高校も大学も手を伸ばせばそこに豊かな自然が届くような場所を選んできました。
秦野の歯科 わきた歯科医院 ブログ 秦野

この秦野は、ロマンスカーを使えば新宿駅まで60分、小田原経由で東京駅まで60分以内、道路がすいていれば銀座までもやはり60分以内でいけるという都会までのほどほどの距離で手を伸ばせば都会の刺激も手に入れられるということで丁度自分にピッタリなのでしょう。

自宅にいても診療所にいても季節の変化を贅沢に感じることができます。丹沢の山肌の色の変化あるいはそこから吹き降ろしてくる風の気配などが満喫できる生活は手放したくはありません。秀逸なのは空気が澄み切った冬の日没間際、富士山や丹沢の山々が赤く染まり始めるパノラマは なんとまぁとため息が出るほど。
秦野 水無川 散策

この秦野のなかで一番の贅沢を感じられる場所が、秦野駅のすぐ近くを流れる水無川です。市街地の中心を流れているので市の発展には支障があるのかもしれませんが街の雰囲気を緩やかにのんびりとしてくれるありがたい存在です。川の両側は散策やジョキングにはピッタリで、変わり行く季節の中で自然の醍醐味をすぐそこで味わわせてくれるかけがいのない宝物です。わずかな時間の散策が心や体を本来あるべき姿に戻してくれます。
秦野 水無川 季節の花々
秦野 水無川 桜並木

多くのボランティアの方が育てている季節の花々、川の流れる音特に台風が過ぎた後は滝のよう、夕立のあとの草の匂い、冬の凍てつく様な寒さの日に川に沿って吹いてくる肌を切るような冷たい風、ジリジリ焦がされるような真夏の川で子供たちが戯れる姿は河童そのもの。もちろん桜並木はいうまでもなく川沿いにいっせいに桜吹雪が舞い散る姿は 圧巻、願わくば桜の下にて春死なんと昔学校で習った覚えがある俳句が口を付いて出てきます。ツバメが飛び交う姿や、虫の音がああもうこの季節なんだと教えてくれます。今の季節を存分に楽しみながら次の季節を楽しく待つ。こんな当たり前のことを味わいつくす贅沢ができる川が近くにあるこれが秦野の自慢できるところではないでしょうか。そういえば水無川というタイトルの小説があるそうです。
秦野 戸川公園

秦野の駅付近から水無川の上流にある戸川公園までおよそ7キロほど42キロの6分の1往復すると約3分の1するってぇーとひよっとするとがんばればフルマラソンできるかもそんな気もしています。  河川を整備している方、ボランテァで花々を育てている方、天候が悪い日でも清掃業務に従事されている方、そのほかの多くの方の手が入ることによって成り立つ景観は私にとってまほろばそのもの。私も何だかの形で力になれればとひそかに考えています。